男女神社秘宝館

秘宝館の案内が全く無いので、近くのガススタで給油ついでにきいてみたら、「土柱に向かう途中にあるよ」とのこと。

そのとおり、小型車用ルートをさらに先に進むと、男女神社があったが、民家と寺がくっついたような小さな施設で、私以外に駐車車両もおらず、全体的にさびれた感じ。
「日本最初乃秘宝館」??
木造の建物に「秘宝館」の看板はかかっているが、大きな看板ははずされて、横倒しになっちゃってるし・・・。

一応、バイクを降りて、民家の方に、声をかけてみた。「秘宝館見に来たんですが」。家の奥から「有料ですよ。いいんですか?」と気の無さそうな返事。「かまいません。開けて下さい」と言ったら、短パンに下着シャツ姿のおっちゃんが出てきた。ああ〜??寝ていたところ、起こしちゃったみたいですね・・・すみません。

←秘宝館に入ったら、6畳くらいの部屋に、鎧兜、刀、根付け、印篭、北斎や春信の浮世絵、大津絵、茶臼、焼き物が並べられているだけだった。民俗系の秘宝館だな。それにしても、規模が小さい。

ガラスケースの上に置かれていた週刊誌に目を通す。昭和58年4月に発行された「Mr.Dandy」という雑誌だ。この本に男女神社秘宝館の由来が書かれていて、これがなかなか面白かった。

昔、ここの家の人(坂東氏)は土柱観光客相手にドライブインをやっていたが、客足が落ちて困っていた。店の片隅に男女の木彫りの像を置いたところ、これが客の間で人気になり、昭和44年4月に2000万円かけて、秘宝館を作ったそう。ちなみに、この本に書かれている他の秘宝館の開館時期は、

○北海道秘宝館(定山渓) 昭和55年6月
?東北秘宝館(磐梯熱海温泉) 昭和56年10月
?高尾観音秘宝館(塩原温泉) 昭和51年9月
○鬼怒川秘宝殿 昭和56年10月
?竜王観音(今市) 昭和54年9月
○熱海秘宝館 昭和55年7月
×沼津秘宝館 昭和52年9月
×北陸秘宝館 昭和54年6月
○自然性態博物館(小牧) 昭和50年3月(現在、沼田に移転)
×石和国際秘宝館 昭和56年10月
○伊勢国際秘宝館 昭和56年3月★
?山口秘宝館(長門湯本温泉) 昭和53年10月
×性総院(小豆島) 昭和49年4月
○別府秘宝館 昭和51年10月
(ちなみに、○現在健在、○?数年前まで健在 ×つぶれた ?きいたことがない、です。)

★あるテレビ番組で、「昭和47年開館」になっていた。こちらが正しいらしい。


なので、
男女神社秘宝館は、パンフに書かれているとおり、「草分け的存在」ということらしい。

パンフの文章「男女神社は男女両性の象徴を社内左右に配し左側には如意輪観音像も合わせて御奉りした御神様で、この世に生存する老若男女の真の幸福を祈念し、祈願する歓喜の神社であり夫婦円満子宝安産縁組不老長寿の御利益があります。併設の秘宝館は全国最初の物でいわば「草分け的存在」と自負しております」

秘宝館だけでは何なので、昭和50年の春、宮司の免許を取って、男女神社も作ってしまったとのことである。私を案内してきたおっちゃんが、その坂東さんという創始者かと思ってきいてみたら、「あれは父です。まだ健在です」とのこと。

パンフの文章「男女神社は坂東氏が代々御奉仕して参りました」→代々って二代だけじゃん(笑)

それにしても、このおっちゃん、話が好きだわ〜。私が本を見ている横から、どんどん話しかけてくる。ということで、こっちから質問しまくって、いろいろ聞き出してしまった。

この秘宝館の客足のピークは大鳴門橋開通の頃で、旅行会社が企画して、広島あたりから、客が大挙して観光バスで乗りつけてきたらしい(名刺の束、見せていただいた)。その頃、秘宝館に寄って、土柱を見て、塩ノ江温泉に泊まって・・・というのが定番だったらしい。が、現在では、徳島の観光は全体的に落ち目で、温泉もダメ、土柱でもドライブインや店がばたばたつぶれ、私は秘宝館の久々の客らしい。。。

おっちゃん、そのうち、本題と関係ない「鬼怒川温泉は本当に良かった」「熱海は駐車場がなくて、お湯にも塩が混ざっていてよくない」という話等を何度も繰り返す。本当に暇なんだね〜。

パンフの文章「現在全国各地から沢山の方々の御拝観御入場をいただき、その数たるは日々増加の一途をたどっております」→いったい、何年前に作ったパンフ?(笑笑)

次に、
神社の方を案内してもらった

神社といっても、民家の一室なのだが。さるすべりの陰陽木や、仏像、仏具、貝原益軒の養生訓等が飾られた部屋で、おっちゃんの口上が始まったが、内容がすごかった。

○般若心経では「色即是空」というが、男女神社では「色即是実」(いろすなわち、みのり)という。
○おかめ、ひょっとこの中に性のシンボルが隠されている。大黒様も後頭部はカリの形、下の2個の俵は睾丸を現している。
○養生訓の「春三夏六秋一無冬」の意味は、「春は3日に一度、夏は6日に一度、秋は1日おき、冬は無制限にやりなさい」
○禁欲中の坊さんは、木魚の割れ目を見て、欲情しながら、木魚を叩いていた


とか。
まじめな坊さんがきいたら、卒倒しそうな内容だ(笑笑笑)

おっちゃん、「今年は郵貯が満期になるので、生活が楽」「八代アキと森新一は歌が下手」「サザンの桑田の声は嫌いだ」「岩崎宏美は歌がうまい」また、話が本題からどんどんそれてきたので、エッチなキーホルダーを一個買って、退散した。

この秘宝館、中身はたいしたことなかったけれど、秘宝産業の衰退について、興味深い話がきけた。お茶も一缶もらったし、おっちゃん、ありがとう!

●男女神社(おめじんじゃ)秘宝館
徳島県阿波郡阿波町土柱入口(小型車用案内に従うと前を通る)、0883-35-2634、
8時〜18時、無休、500円

おっちゃんがつまらないと言っていた土柱に行ってみた。狭い道を登っていくと、土産物屋が集まっている一角があって(店が閉まっていたりして、全体的にさびれている雰囲気)、ここの土柱ランドの駐車場にバイクを止めて、遊歩道を上がっていくのが定番みたいな雰囲気だったが、よく見ると、脇に「車道→」の表示がある。じゃあ、こっち、登っちゃえ!ってことで、セローで上がっていったら、舗装の荒れた狭路で、車用のスイッチバックがあるとんでもない道だった。でっかいバイクや、車にはおすすめできない道だ・・・。

つぶれたドライブイン(土柱ランドの支店だったらしい)の先に駐車場があったが、坂の上だし、距離もあったので、ドライブイン脇のトイレの前にバイクを置いて、遊歩道を降りてみた。

←土柱をモチーフにしたトイレ。

そしたら、所用7分で土柱に着いたが、奇岩が立ち並んでいるだけで、はっきり言ってたいしたことはなかった。暑いし・・・。

下から登ってきたカップルにきいたら、土柱ランドからの方が、むしろ距離的に近かったらしい。ああ〜、上まで登って損した。